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コラム④「働き方の多様化」 テレワーク 発 地方移住 < Uターン就職/起業

コロナ禍をきっかけに普及し始めたテレワーク。

大企業を中心に普及率向上と伴に出社する社員数も減って、「今までの様な広いスペースは

必要ないのでは?」といった事務所の移転問題にまで発展しているところもあるようです。

また、かねてからの懸案である“東京一極集中”の解決策としてこのテレワークが俎上に乗って

いるようです。

東京一極集中の解決策としてのテレワーク活用とそれに伴う地方移住の状況は関東近郊が

多いようなので政府が考えているものとはどうやら違うようです。

都会出身の人がテレワークを活用して、例えば私が住んでいる島根県に移住してくるといった

ケースは稀だと思います。

テレワークの普及率が高い大企業に勤務しながら地方移住ができる人は都会地の給与水準で

地方で暮らすことにより家賃等で経済的なメリットがあると思いますが、それ以外の人は経済的な

メリット以外の魅力を感じていないと実現は難しいと感じます。

とはいえ、前者にしても「人はパンのみにて生くるものにあらず」で経済面以外の精神面での充実

が図れる何かが無ければ地方移住は絵に描いた餅になるのではないでしょうか。

「どうしてもその土地でやりたいことがある」、「理想の暮らしが地方にしかない」といった信念の

ある人でないと「やはり都会が良かった」ということになるような気がします。

 

実際に地方で暮らし中小企業を経営している私からするとテレワークを活用した地方移住より

もやはりUターン者を増やすことが東京一極集中・地方の人口減への対策になると考えます。

地元に根を下ろした地域会社への就職またはUターン起業する人を増やすことが恒久的に

地方の人口を増やすことに繋がると思います。

 

ここで当社のテレワークの実情を説明したいと思います。

当社の場合、事務所の近くに住んでいる徒歩通勤の1名を除き全員自家用車通勤です。

地方の場合、公共交通手段が少ないこともあり自家用車通勤が当たり前のところが多いように

感じます。また比較的通勤時間は短いケースが多いのではないでしょうか?

当社では週一のペースで事務職社員がテレワークをしています。コロナが始まって少しして

からやり始めたのでもう慣れたものです。通常業務ではほぼ支障なく処理しています。

自宅から事務所サーバーへのアクセス/ビジネスホンとスマートホンの連動等、仕事柄取り組み

易かった面はあると思いますが、まずは社員がテレワークすることを望んでいることが自主性を発揮

しながら効率を落とさない秘訣になると思います。

また、(これは地方ならではの事ですが)どうしても事務所に行かないと出来ない業務が出た

場合でも車で10~20分で事務所に行けるとわかっているので安心なわけです。

スムーズで実践的なテレワークへの移行は地方の方が向いているのかもしれません。

「子供がまだ小さい」、「年寄りと同居している」等の家庭環境がある社員にとっては家で仕事が

できるメリットは相当あるようです。

「地方の家庭環境こそテレワークが強い味方になる!」ということでしょうか。

 

最後にUターンについての持論を書きます。

私の場合、高校卒業時点ではとにかく東京に出たいと感じていました。同じ年齢なのに東京に

いる高校生は見たいコンサートや人がたくさん集まるところに簡単に行ける。自分は損をしている。

そんな風に感じていました。その後希望通り上京して、学生・社会人経験を経て35歳でUターン

するまでの間たくさんの人たちとの出会いがあり、色々な経験をさせてもらいました。

特に勤め人の後半は良い先輩、仲間に恵まれて「30歳越えてこんな楽しいことがあるのかね?」

と感じるほどでした。本当に感謝しています。その経験で今の自分があります。

もちろん仕事で大変なことは沢山ありましたが、そんなことも仲間と飲んで笑い飛ばすような環境

にいたことは今でも宝物だと感じています。

上京して悶々とすることもあった学生時代。就職して寮に入いり徒手空拳ながらも仕事を覚えようと

精一杯の時期もありました。そして、少し落ち着いて周りを見た時に「東京に居てもお金が無ければ楽しい

ところには行けない」、「社会人になり所帯を持てば自分勝手なことばかりは出来ない」、そんな当たり前の

ことを自分で経験して腑に落ちたというのが本音です。

~なぜ、Uターン起業にしたのかは今回省きます~

そんな良くある経験をした私が思うのは、若い人は都会でも海外でもとにかく親元・地元から一旦

離れて「どこの馬の骨?」扱いされた方が良いと思います。その経験は必ず生きます。

親や周りの人への感謝も生まれますし、自分を見つめ直す機会にもなるでしょう。

そこから自分でつくる、自分から始まる人間関係を構築することが大切だと考えます。

そして経験を積んだ上で「生まれ故郷で仕事が出来る力を身に付けて帰ってきた!」と思える人

は是非Uターンして欲しいと思います。出来れば身に付けた能力で起業して欲しいです。

そういう人が増えれば地方に新たな会社が次々生まれるわけです。

<令和2年中小企業庁調べ>

中小企業の平均売上1.76億円 経常利益722万円 社員数16.1人 だそうです。

Uターン起業した人が10人、努力して何年後かに平均的な実績を残せれば地域へのインパクト

は小さくありません。⇒売上18億円、利益7,200万円、社員数160人!ワクワクしますね。

大企業が地方に拠点を作り地域の人を雇用することも大事ですが、私は中小企業家が小さくても

地域密着の堅実な会社を経営することの方が本来あるべき姿だと考えます。

私が所属する島根県中小企業家同友会の運動の中で出会った広島同友会の経営者の言葉に

「故郷で錦を織る」というものがあります。

東京一極集中の打破、少子高齢化の課題に真正面から挑む言葉だと思いませんか!?

随分前に教えてもらった言葉ですが、今聞いても新鮮な響きがあります。

普遍的な言葉は陳腐化しないのですね。

私もサラリーマンを12年やっていたのでわかるのですが、東京勤務をしていて地方への転勤を

言い渡されるとどうしても「飛ばされた」、「都落ち」のようなネガティブな気持ちになり易いですが、

いにしえの京都の人を見習って「東下る」の心意気を持ちたいものです。

「私にとっては今住んでいるところが都なんだ」そう思える街になるよう暮らしている一人一人が

意識すること。自分にとっての都だと思えば、公共のルールを守ることや街の美化に出来る範囲で

協力することは苦にならないはずです。また商売人であれば少々高くても地域の知っている人、

好きな人から物を買う等地元愛を醸成する方法はいくらでもあると感じます。

要は、「どこで働いているかは問題ではない。何をしているのか、何のために働いているのかが

重要である」ということではないでしょうか。

これも中小企業家同友会の冊子で印象に残った言葉です。

「中小企業に働く人が日本経済の主流として、自分の人生と仕事を結び付けて目一杯生きる。

派手さは無いがトータルすると素朴な魅力が感じられ素敵な人生の見本のような生き方をする、

多くの人がそんなふうな生きるその延長線上に真に豊かな日本社会がある」

この概念に沿えば、都会地の中小企業はもとより、地方の中小企業こそ理想の暮らしが実現

できる場所であると思えます。

言うは易く行うは難しですが、変革期である今一人一人が自分の暮らしを見直して本当に大事な

物を大切にする当たり前の生き方が求められているように感じます。

以上

 

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