コラム⑭ 企業変革支援プログラム「市場・顧客及び自社の理解と対応」
私の所属する島根県中小企業家同友会には企業変革支援プログラムというツールがあります。
当初はステップ①と②の二種類があったのですが、この度Ver.2が発刊され一つの体系に統合
されました。
当社でも様々な取り組みをこの企業変革支援プログラムからヒントを得て実践しています。
今回はタイトルの「市場・顧客及び自社の理解と対応」への取り組みで実践した顧客アンケートに
ついて書いてみたいと思います。
当社が実施した顧客アンケートの回答から無作為抽出の30件を集計しました。
■社員対応(言葉使い、マナー、身だしなみ、要望に対する対応力)
■導入機器についての評価(性能、使いやすさ、価格)
以上2点について集計したところ、5段階評価で「社員対応」が4.59 「導入機器」が4.08の結果でした。
概ね良い評価であったことに安心しました。
また、お客様への感謝の念が湧き上がりました。
本当に有難いことです。
但し、回答して下さる時点で当社に対して好意的な顧客であるとの認識のもと、これからも驕る
ことなく真摯に向き合い、更に多くの顧客の満足度が上がるように努めます。
支援プログラムの中に「あなたの会社を必要としない人は黙って同業他社の商品・サービスを
購入します。苦情を持ったお客様のうち90%以上が何も行動を起こさず、次は黙って別の企業に
行く。そして自らの悪い体験談を話しだし、悪い事例は独り歩きして顧客離れを広げる」との記載が
あります。
なんとも恐ろしいことですが、我々の気づかないところで起こっている紛れもない事実です。
特に当社のような嗜好品ではない“業務用機器”を扱う会社は直接苦情を言われることなく他社
に乗り換えられているケースは残念ながら少なからず存在します。
これは我々提供者が顧客との関係性を確立出来ていない、または日頃のやり取りの中で不満の
種を放置している結果であると受け止めなければなりません。
顧客はお金を払って買っている側ですから、気に入らないことがあれば黙って他社に乗り換え
て良いわけです。それを敢えて苦情や意見を言って下さるのは相当のエネルギーのいることです
し、当社に良くなってもらいたいという支持の表れだと捉えるべきです。
まさに感謝するべき内容なのです。
「顧客の苦情や意見は企業経営の宝」との記述も至極納得出来ます。
日頃から顧客との信頼関係を深めるコミュニケーションをとり、顧客が意見を言いやすい仕組みを
設けることも重要です。
面談の際に「苦情も含めてご意見・ご要望があればお知らせ下さい」と率直に声をかける。
定期的にアンケートを取ることも顧客との関係強化、不満の種を見つけることにもつながる
と感じます。
お客様の率直な意見から我々の立ち位置を確認し、改善していく。
新しい商品・サービスや新しい市場の創造に必須の事柄だと感じます。
地域・業種によって顧客ニーズは異なります。
画一的なマーケティングから導きだされた傾向よりも直接顧客から聞いた話の方が本物でしょう。
やはり顧客から忌憚のない本音の要望を教えてもらえる会社が強いのです。
「あてにしあてにされる関係」を社員・顧客・取引業者、関わる全ての人々と構築します。
以上
│更新日時:2023/01/13│