コラム⑯ 「人間にしか、できないこと」
以前、コントロールし難いものとして「感 情」と「生理反応」があると教わりました。
これに対して「思考」と「行為」はセルフコントロールできるとも教わりました。
私にとっては後者も難しい場合があるので、完全にコントロールできるとは言い切れませんが
確かに前者よりはコントロールしやすいと感じます。
要は“プラスの解釈”ができる習慣を身に付けているかどうかが選択の質を変えるということだと
認識しています。
「あの人は苦手で会いたくないけど、自分の成長には不可欠な人だ」と思えば、感情を抑えて
自分の成長(=目標・願望)のために会うという行動を選べるはずです。
自分の願望に対する達成意欲の強さが行動を決定しているように感じます。
常に積極的な感情が芽生え、行動に移している人が居れば素晴らしいのですが、人間には
負の感情が起こることがどうしてもあります。
大切な人との別れ、報われなかった努力等、本人の意思とは関係なく消極的な負の感情が
湧いてくることは誰しもあることでしょう。
その際に自分の感情を最優先して行動すれば自己中心的な行動になるでしょうし、周りの共感を
得ることは難しいでしょう。
反面、この何とも制御しにくい「感 情」があるからこそ人間らしさも生まれてくるとの解釈も
できます。
人間の“業”です。
喜怒哀楽、喜びも悲しみも幾年月。
家族をはじめ関わりのある人たちとの暮らしの中に人間らしい味わいがあると感じます。
少子高齢化・生産労働人口の減少を補うテクノロジーを上手く活用して生産性を上げる。
ルーティンワーク・簡易な事務処理等は機械に任せ、我々は人間にしかできないことをする。
本当に実現すれば素晴らしいことだと感じます。
ただ、非常に速いテクノロジーの進展の波に飲み込まれて人間の大切な「感 情」から生まれる
創造性までテクノロジーに任せてしまわないかとの心配があります。
感受性が落ちて自ら考えることをやめてしまった時に、人は人として生きていけるのか?
今でも先輩方の中には「日本人はすっかり変わってしまった」と仰る方もおられます。
もちろん時代の趨勢で改善すべき点は直せば良いです。
活用できるテクノロジーは使えば良いです。
どれもこれもより良い世の中をつくるための営みのはずです。
便利の代償で最も大切な我々の「感 情」を放棄しないようにテクノロジーを使いこなしたい
ものです。
│更新日時:2023/03/25│